Crazy a go go! [CASE:A] (11)
Crazy a go go! [CASE:A](前編)

「…セフィロス様……?」

 クラウドにはセフィロスの意図が読み取れなかった。急に刺せと言い出されて、何と返せばいいのかわからない。

「クラウドの言いたいことはよくわかった。だから、クラウドの言い分を聞いてやろう。その代わりに俺の言い分も聞いてもらわないとな」
「…言い分…?」
「そうだ。クラウドは俺に関わるなという。その言い分を飲んでやってもいい。だから、クラウドには俺の言い分を飲んでもらう…」
「それが…どうして…、セフィロス様を刺すなんてことに…」
「クラウドに関わらないということは、クラウドを手放すということになるだろう。ならば、俺は今すぐクラウドの手でクラウドのいない世界に行きたい…」

 セフィロスがそう言って、ナイフを持ったクラウドの手を再度掴む。ナイフの刃が自分の首筋に当るようにクラウドの手を移動させた。
 光を反射してナイフが光り、クラウドは目を一瞬細めた。もう一度開いた目に映ったのは、優しく微笑むセフィロスの顔だった。

「さぁ、このまま力を入れて引いてくれるだけでいい…」
「…や…、いやです…、できません!」

 クラウドは渾身の力を込めて手首を捻り、セフィロスの手を振りほどくと、ナイフを部屋の隅に放り投げた。

「クラウド!」
「それなら私がいなくなる方が手っ取り早い! 私がいなければ、そう、初めから私がいなければこんなことにはならなかった! 何度も何度もそう思った。いなくなろう、それが一番いいのだと…。でも、でも…、できなかった…」

 拘束されていない腕で目を覆うようにして隠すと、クラウドは大きく息を吸い込んだ。

「セフィロス様の傍にいたかった。いつまで続くかわからなかったけど、ずっとこのままいたかったんです…。ごめんなさい、私が早く離れていれば…」
「謝るな! クラウドは悪くない!」

 抱きしめられ、セフィロスの体温や心地よい身体の重さを感じていると、クラウドの脳裏に色んなことが思い浮かんできて、溢れ出す思いを抑えきれなくなった。

「…い、いえ…、私が悪いのです…。セフィロス様を好きになってしまった…。許して下さい…、取り返しがつかないほど……」
「もう、いい! 何も言うな」
「言わせて下さい! 取り返しがつかないほど、セフィロス様を愛してしまった。本当はセフィロス様の傍を離れたくない。もしかしたら、私やセフィロス様が考えてる通り、最悪の事態になるかもしれない…。でも、その直前まではセフィロス様の傍にいたい。セフィロス様を眺めていたい、触れていたい…」

 クラウドはセフィロスの背中に片腕を回して、しっかり抱きついた。

「セフィロス様……、貴方を感じていたいのです……」
「クラウド!」

 セフィロスに顎を掴まれたと思った途端、唇を塞がれていた。すぐさま入り込んで来た舌にクラウドの口中は嬲られる。舌先を絡め取られ、吸い上げられれば、いやでも体の奥に熱が溜まってしまう。

「…ん…っ、…ふ…っ」

 自らも舌を絡ませ、深い口づけに誘い込む。息苦しくなっては、唇を重ねる角度を変え、また、お互いの舌を味わう。口の端から飲み込めずあふれてしまった唾液も気にすることなく、二人は貪りあうようにキスを交わした。
「…あ…っ」

 クラウドは胸の上を滑る指先の感覚に声を上げた。メイド衣装の上からであったとはいえ、セフィロスの指先は確実に突起を捕えていた。

「…あ…ん、やぁ…、そ、そこは…」
「知ってる。感じやすい」
「わ、わかって…らっしゃる…なら……」
「わかってるから触ってる。ああ、もっと感じるようにしてやろう」

 恥ずかしさに顔を火照らしたクラウドは可愛いと告げられ、余計にいたたまれなくなる。目を伏せて顔をそらせると、セフィロスはベッドから降りてしまった。
 怒らせたかな、と胸を痛めているクラウドが次に目にしたのは、放り投げたナイフを持ったセフィロスだった。

「セフィロス様…?」
「いいか、じっとしてろよ」

 襟ぐりを掴まれたと思った瞬間、布地を切り裂く音が部屋に響いた。肌に外気が触れ、肩を震わせる。自由になる片方の腕で胸を隠そうとしたが、セフィロスの手がそれを阻止するようにクラウドの腕を掴んだ。そのままベッドに押さえつけられる。
 服を縦に真っ二つに斬られたせいで、上半身は素肌をセフィロスの目の前に晒すことになった。

「あ、…あの…」
「この方が早かった」
「…やぁ…っ…」

 いきなり胸の突起を舐めあげられて、クラウドは声を漏らした。そのままセフィロスは舌と唇で尖りを愛撫する。舌先で転がすようにされたり、唇でちゅっと音を鳴らして吸い上げたりされると、体を捩らせてしまう。
 セフィロスに抱かれているうちに感じやすくなってしまった胸を今さらどうすることもできない。もう、胸の先がじんじんと痺れている。ぷっくりと赤くなって恥ずかしいことになってるんだろうと思うと、クラウドは隠れたくなったが、隠れることなどできるはずもない。
 ふっとセフィロスの唇が離れたので、安心して息を吐き出した瞬間、逆の胸に吸い付かれる。

「いやぁ…、あ、…あん…、そこ…ばっかりぃ…」

 今まで散々口で愛撫され唾液で濡れそぼった方は指先で捏ねられ、今までほったらかしになっていた方を舌が執拗に舐めてくる。
 両方の胸を一度に弄られて、クラウドは体をそらし、短い声を上げ続ける。片方の腕を拘束されているうえ、逆の手はセフィロスにしっかり固定されているため、逃げようもなかった。
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