Crazy a go go! [CASE:C] (13)
Crazy a go go! [CASE:C]

 ゆっくりと器官をいっぱいに広げながら、セフィロス様の昂ぶりが奥へと侵入してくる。擦れている場所から快感が身体を巡り、私は声を上げながらも、逃げるように身体を捩じらせてしまう。
 そんな私の動きを封じるように、セフィロス様は私の腰をしっかりと掴む。

「…セ…、セフィ…ロス様…っ!」
「逃がさない」
「…だ、だ…って…」

 繋がったという状況だけで、もう限界に近い。先ほど吐き出した自分の昂ぶりも、もう頭を持ち上げていて、張り詰めている。
 その状況はきっとセフィロス様は視認できているはずだ。なにせ、部屋の中は日の光で満ちていて、視界を遮るものは何もない。

「言っただろう? 俺はもっと見たいんだ」

 そう言うなり、セフィロス様は腰を送り込んできた。奥の弱いところを刺激されて、私は身体を揺らす。
 ただ、その動きは穏やかなもので、私自身はだんだん物足りなくなってきてしまった。恥ずかしくてしょうがないはずなのに、もっとセフィロス様を感じたい。セフィロス様と一つになっていられるこの時間を無駄にはしたくない。
 そう思った私は、セフィロス様の動きに合わせて、腰を揺らし始めた。セフィロス様の熱いものが当たる位置が変わって、私は高い声を漏らす。

「…恥ずかしいんじゃなかったのか?」

 恥ずかしいですよ、と声を大きくして叫びたかったけれど、私の意図を汲んだのか、セフィロス様の動きは大きくなり、激しく弱いところばかりを責めてくるので、嬌声が先に出てしまう。
 セフィロス様の熱塊に擦られる粘膜は熱くて蕩け出しそう。摩擦によりもたらされるどうしようもないほどの快感が身体を駆け抜けて、意識が真っ白になる。
 部屋に反響する甘ったるい声も、まるで私のものではないみたいで、現実感がなくなっていく。
 セフィロス様に抱かれているというこの状況さえも夢のようで……。

「…セ、セフィ……っ!」

 自分の居場所を探るように腕を伸ばすと、セフィロス様は私の身体をかき抱くようにしっかりと抱きしめてくれる。

「ここにいる。お前を手放すはずがないだろう?」

 耳元で囁かれた言葉に心臓を貫かれたような衝撃があったのに、すぐにセフィロス様は腰の動きを大きくして、さらに私を現実から引き離そうとする。

「……あ…っ、ああ…っ、も、もう……!」
「…俺も限界だ。クラウドがいつもよりやらしく誘うから」

 とどめのように、恥ずかしいことこの上ない言葉を聞いた瞬間、頭の先まで突き抜けるような衝動が腰の奥を襲ってきた。
 身体を硬直させて、昂ぶりに溜まっていた熱を自分の胸に降らせる。そして、身体の中に熱いものが注がれる感覚に、私は幸せを感じて、そのままゆっくりと目を閉じた。



「…ん…」

 寝返りを打ってから、いつもと何かが違う気がして、身体を起こした。
 隣にいるはずの人がいない。大概、夜寝て、目覚めるときには、セフィロス様に拘束されているのが常だ。それなのに、ベッドの上にいるのは自分だけだった。
 部屋の中は何となく薄暗くて、夕方のような雰囲気だ。
 記憶の巻き戻しをして、先ほどまでの行為を思い出し、私は慌てて時計を見た。時計の針は六時を指していた。
 すっかり眠ってしまっていたんだとわかって、私は大きく息を吐き出した。
 お家の仕事をするのが役目だというのに、仕事もせずに一人寝ているなんて、どうしようもない…。
 どうしようもないけど、ここでぐだぐだしているわけにもいかない。
 重い身体を起こして、リビングへと向かう。セフィロス様がいるなら、謝らなくてはいけない。
 リビングの扉を開けた途端、もう一度勝負です!という声が響いてきた。
 ローテーブルを挟んでセフィロス様とザックスさんが何か言い合いをしていた。

「いくらでも受けてやる。何度やっても一緒だろうがな」

 不敵な笑いで言うのはセフィロス様。

「言いましたね! 次はミラクルを起こします!」

 握りこぶしで対抗心を燃やしているのはザックスさん。

「できるものならやってみるといい……、ああ、クラウド」

 セフィロス様が私の存在に気づいて、柔らかに微笑む。

「…あ、あの……」
「ああ、今から、もう一度チェスの勝負をするんだ。今度は俺が勝つ!」

 二人とも私が寝坊したことなどどうでもいいらしい。今は目の前の勝負が大事といったところ。もしかしたら、わざとそういう雰囲気を作ってくださってるのかもしれない。そうだとしたら、私があえて謝ったりしたら、二人の思いを無駄にしてしまうことになる。 心の中で深く感謝をして、私はキッチンへと向かった。
 チェスをしている間に軽く何か食べられるものを作っておこうと思ったのだ。もちろん、ワインに合うものだ。
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