Crazy a go go! [CASE:S] (8)
Crazy a go go! [CASE:S]

「…そ、それ…、どこで見ました…!」
「え? な、何です、急に?」

 俺はリーブさんの方に身を乗り出していた。もしかしたら、一番の手がかりかもしれない。

「教えてください。その少年とどこで…?」
「ほら、郊外に小さい教会がありますやろ? ご年配の婦人が一人でいらっしゃるあの教会ですわ」
「…そうか…」

 俺はすっかり忘れていた。真っ先に探すべき場所を、どうして俺は思い出せなかったのだろう。

「それが何か?」
「いえ。リーブさん、恩に着ます! 今日は思う存分飲んで、食べてください。全部、俺のおごりです!」
「ええっ! 何です? いいんですかね?」
「いいです、いいです。さあ、飲みましょう!」

 この日ほど、俺はリーブさんに感謝した日はなかった。
 感謝といえば、俺を探しに向かわせたザックスや屋敷のみんなにも感謝しなければならない。
 俺に協力してくれる全ての人に感謝をしつつ、リーブさんと昔話や他愛もない話で盛り上がり、飲み明かした。





 俺は早朝から馬車を走らせていた。
 今日の目覚めはいつもより気分がよかった。
 昨晩、店が閉まるまでリーブさんと飲み続けていたにもかかわらず、珍しく朝早く目覚めた。
 クラウドに会いたいという気持ちが、俺を急かしているのかもしれない。
 馬車に乗って1時間ほどしたら、民家など建物はなくなり、道の両側は原っぱになった。通り抜ける風が気持ちよく感じるのも、もうすぐクラウドに会えるだろうという気分のよさからだろうか。
 原っぱを抜けると小高い丘の上に、俺の目指していた小さな教会が見えた。
 教会の重い扉をゆっくり開いて、中に入る。張り詰めた空気が俺の侵入を妨げるようであったが、その空気を切るように突き進んだ。
 シスターが祈りを捧げている。
 その祈りを邪魔しないように、側の椅子に座って祈りが終わるのを待った。

「セフィロス様!」

 祈りを終えたシスターが振り返って最初に発した言葉である。

「ご無沙汰…しております……」
「いえ…便りがないのは元気なことだと思っておりましたが……先日…急に…」

 そこまで言って、シスターは何かに気づいたかのように口元を押さえた。

「…やはりこちらにいるのですね、クラウドは。しかも、口止めしている様子」
「…私は、私は何も……」
「わかりました。あなた様からは何も伺っておりませんし、こちらからも何も尋ねておりません」

 俺は軽く頭を下げると、シスターに背を向けた。
 教会から出ようと扉を開けたときだった。

「クラウドはずっと……!」
「え?」
「い、いえ…何でもありません。今でしたら、裏の花壇のほうにいると思います。海が見えますから……」

 シスターはうつむいてそう言うと、また、祈りを捧げ始めた。
 静かに扉を閉めてから、裏の花壇に向かう。
 手入れされた花壇には色々な花が咲き誇っていて、緑の絨毯に金平糖をばら撒いたようだった。
 そして、俺はその中にたたずむ一人の少年を見つけた。
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