ONLY YOU(7)
ONLY YOU

「ああ、こっち…もか?」
「…っ、ああ…っ!」

 セフィロスの手が俺の昂ぶったものに触れた。長い指先が絡みつき、やんわりと掴まれる。ゆっくりと上下に動き始めた手が、俺を徐々に追い詰めていて、今にも崩れてしまいそうだ。
 セフィロスの責めは早くなって、それに合わせて俺が漏らす声の間隔も短くなってる。

「…やぁ、も…、だめ…っ!」
「出すか…?」

 一緒がいい。
 本当はそう言いたかったけど、指を入れられただけで、アウトだろう。
 俺は無言で頷いた。
 セフィロスの手は俺の昂ぶりを刺激し続けて、先端から零れだした液体がぬちゃぬちゃと嫌な音を立て始めた。俺の声と卑猥な音が反響していて、恥ずかしさが増す。耳を塞ぐことが出来ないのが辛い。

「…セフィ…、だめ…だ…」

 先端の括れた部分から、強烈な快感が全身を一気に駆け巡って、俺は高い声を上げるとともに、自分の熱をばら撒いた。
 そのままずるずるとその場に崩れ落ちて、俺は呼吸を必死に整えた。
 俺の前にしゃがみ込んだセフィロスが、顔を覗き込んでくる。

「…セフィ…?」
「…ちょっと待ってろ…」
「んー?」

 セフィロスはシャワールームから出て行くと、すぐ隣にあるバスルームへと向かったようだ。ばさばさっと何か布を広げるような音がしている。顔を上げるのもだるくて、セフィロスが何をしているかは確認しなかった。

「クラウド」

 タオルを腰に巻いたセフィロスがまた俺の前にしゃがんで、バスタオルを俺の肩にかけてくれた。

「移動しよう」
「移動…?」
「そう。ほら、立てるか?」

 差し伸べられた手を掴んで、俺はゆっくりと立ち上がった。すぐさま腰にタオルを巻かれる。

「どうせ、すぐにはぎ取るんだろ?」
「そうして欲しいなら」

 セフィロスは軽く笑いながら、俺を軽々と横抱きにする。
 自分がそうしたいくせに、俺がそう仕向けたような言い方をする。自分がしたいなら、素直にそうだ、とか言えばいいのに。
 セフィロスが素直じゃないのは今に始まったことじゃないか。
 ふとセフィロスに目をやると、セフィロスが急に俺の顔を見た。

「何?」
「何って、クラウドが俺を見たんだろう?」
「セフィロスは素直じゃないって思ってたところ」
「…こんなに素直なやつはいないと思うが」

 ベッドに俺を下ろして、すぐにセフィロスは覆いかぶさってくる。手首をしっかり押さえつけられて、身動きとることはできない。

「自分の欲望には忠実だよな?」
「クラウドを前にして、抱く気がないなんて嘘をつく方が難しいだけだ」
「…嘘つき…だな…」

 俺はセフィロスから目をそらせた。いつまでたってもセフィロスの顔を直視するのに慣れない。綺麗な顔すぎるし、俺とも違いすぎて恥ずかしくなる。
 だから未だにセフィロスがどうして俺を選んでしまったのか、と考えることがある。

「俺のどこが嘘つきだと?」
「欲望に忠実なのは認めるよ。だけど、俺を前にして、のくだりは嘘だろ?」
「俺の口から俺の想いが聞きたいだけなのか、本当に信用されてないのか、どっちだと思えばいい?」
「…どっちも、かな」
「それは手の打ちようがないな」

 セフィロスの唇が瞼に軽く触れる。

「そう?」
「そうだ。俺が好きだと伝えても、信用できないって言ってるんだろ?」

 確かにそうなのだろう。俺は何度となく同じ言葉を聞いているのに、未だに信用できていないのだ。いや、信用していないわけではない。すぐに不安になってしまうのだ。
 セフィロスには悪いと思うんだけど。

「…ごめん…。俺は…」
「いいさ。本当はわかってる。俺が俺である以上、俺が伝え続けなければいけないことを」

 そう言って、セフィロスが頬に落としてきたキスがあまりにも柔らかくて、優しくて、俺は鼻の奥がツンと痛んだ。視界が潤んできて、顔を隠したかったけれど、手首は掴まれたままだ。

「クラウド…?」
「…欲望に…忠実……なんだろ…?」
「そうだ。証明するとしようか」

 セフィロスは俺の手を解いて、今度は顎をしっかりと掴んできた。目を見開く俺に、小さな笑みを見せてから、唇を塞いでくる。
 お互いに舌を絡ませながら、口づけを深くし、ぴちゃぴちゃと唾液の絡む音が聞こえ始めた。気付けば、俺の口元からは唾液が溢れるほどになっていた。
 舌先を強く吸われ、俺は体を大きく震わせた。セフィロスの唇が離れ、俺とセフィロスの間が白い細い糸で繋がれてるのを目にしてしまう。セフィロスはわざと俺と目を合わせたまま、口元を拭っている。
 俺が恥ずかしいと思うことをわざとするから、たちが悪い。やめろと言ったところでやめるような人でもないし、いちいち反論すると面白がってまたやろうとするから、俺は言葉を飲みこんで、自分の口元を手の甲でこすった。
 セフィロスの唇は次に俺の胸をターゲットにしたらしい。さっき風呂場で弄られてたから、唇で軽く触れられただけで、身体が跳ねるほど感じてしまう。

「ちょ…、セフィ……」

 当然、返答はない。わかってたけど。
 唇で吸われたり、舌先でつつかれたりしてるうちに、また、昂ぶりが熱を帯び、頭を持ち上げはじめる。

「…セフィロスってば…」
「やばいんだろ?」
「わかってるなら…いちいち、聞くな…っ!」
「しょうがないな。じゃあ…」

 俺の唇にセフィロスの指先が触れた。薄く唇を開いて、指先を舌で誘う。丁寧に唾液を絡めるようにしゃぶっていると、もう、いいぞ、と声がした。絡めていた舌を解く。
 セフィロスの指が引き抜かれたと思ったら、俺の足が大きく開かれた。恥ずかしさで声を上げたけど、お構いなしで、蕾の周りをなぞってくる。俺は少しずつ体を動かして逃げようとしたけど、いきなり指が挿入されてきて、俺はそれ以上の動きを止められてしまった。

「…セフィ……っ!」
「何だ?」
「は…、やく…っ!」
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