「なぁ、クラウド…」
「…な、な…に…？」
「力、抜いてくれ…」

　耳を嬲るようにそう言うと、クラウドの身体から少しだけ力が抜けた。
　その隙に指をかき回すように動かして、さらに中を解していく。
　問題なく指が動くようになったところで、もう一本指を増やし、中を広げつつ、弱いところを探る。
　とはいえ、探そうとしなくても、すぐにわかる。この指先が、俺の感覚全てが覚えているのだ。

「…あ、ああんっ、そこぉ…」

　当たり。
　俺はそこばかりを刺激するように指で責め続ける。

「…いやぁ、もう、…だめぇ…っ！」

　クラウドの昂ぶりはまたしっかりと頭を持ち上げていた。このまま一度抜かせようと、指の動きを早めたところで、クラウドの腕が俺の腕を掴んだ。

「…セフィ…が、いい……」
「そう…か…」

　自然と口元が緩むのを堪えながら、クラウドの中から指を引き抜いた。
　すぐにズボンのフロントをくつろげて、熱の溜まった自身のものを出すと、クラウドの蕾にあてがった。
　先端をゆっくり挿入するが、奥にはすぐに入れてもらえそうにない。相変わらずの締まり具合だ。

「力抜いて、息を吐いてろよ」

　クラウドの腰を抱えて、俺は少しずつ自分のものを押し進めた。

「…あ、…ああ…っ、あ…！」

　根元まで咥え込ませた頃には、うっすらと額に汗が浮かんでいた。

「…あ…ついよ…」
「クラウドの中がだろ？」
「ちが…っ、セフィの…が……」
「じゃあ、溶け合えそうだな、どろどろに」
「…ん…、そうなりたい…」

　クラウドの腰を抱え直して、前後に腰を揺らす。

「…はぁ…ぅ、ああん…、やぁ…っ！」

　俺の身体に足を巻き付けて、責めに呼応するようにクラウドは自ら腰を踊らせている。
　眉を歪ませ、紅い唇からは嬌声がひっきりなしに漏れ出ているその顔がとても艶めかしい。絶対この顔の方が俺の顔よりエロいと思う。映像に収められるなら、映像に収めてみせてやりたいところだ。
　そんな顔を眺められるのもこの俺だけだという事実が、ものすごい優越感を与え、独占欲を刺激する。
　何とも言えない気分を味わいながら、クラウドの中を責め続けていると、クラウドの喘ぎ声が変わった。

「…い、…いい、もっと…ぉ…」

　クラウドのねだる声に俺は一瞬で理性を手放した。
　大きく腰を動かし、夢中でクラウドの奥を何度も貫いた。
　部屋中にクラウドの感じてる高い声が響き渡り、当のクラウドはただ頭を振り、身体を捩らせるだけだ。
　嬌声は徐々にうわごとのように俺の名前を呼ぶだけになった。
　そう、俺はこの姿が見たかった。
　俺の下で乱れ狂っているクラウドの姿を。

「…セフィ…、セフィ…っ！」

　探すように腕を伸ばすクラウドの身体を、一度しっかりと抱きしめてから、俺はクラウドの腰を抱え直した。
　先端ギリギリまで昂ぶりを引き抜き、一気に最奥まで埋め込んだ。

「…う…っ、……あああああっ！！」

　クラウドは一瞬身体をこわばらせると、白濁の液体を自分の身体や俺の身体に降らせた。
　その後の急な締め付けに、俺も堪えきれず、クラウドの中に熱を叩きつけてしまった。

「…セ…、フィ…」

　大きく呼吸をしながら、クラウドが呼びかけてきた。

「どうした？」

　汗で額にひっついている前髪を払ってやりながら、問いかけると、もっと…、と言ってきた。

「…辛いだろ…？」
「したい…くせに…」

　こういう時にクラウドはにやりと笑う。
　どう俺を煽ればいいのか、誘えばいいのか、クラウドはもう無意識のうちに実行できるようになっているのだ。