aimed blade at you (5)
aimed blade at you

 この三日間の休暇が終わったら…。
 真昼の寮は俺以外誰もいない。
 ソルジャーも一般兵も外で働いてる時間だ。
 セフィロスはあの日の翌日、遠征でアイシクルエリアまで行ったらしい。

「もともとあの人とおれは違いすぎるんだ。遠すぎる人だったんだよ…」

 それをわきまえずに、自分だけの人にしたくて、高望みした俺が悪かったんだ。
 そのままの関係でいられたなら、今よりは少しだけ近かった二人の距離。
 あした…明日が終わったら退職願いをだそうかな。
 何のために二年間も我慢したのだろう。ソルジャーにもなれぬままもうすぐ十七になろうとしてる。
 ここにいるのが辛くなるな。
 ザックスと離れるのはすこし寂しいけどもともと縁が無かったんだ。
 自虐的に笑うと、泣き顔を見せるのを拒むようにクラウドはベットに潜り込み頭まで布団を被った。

「新しいルームキーパーはセフィロスと仲良くなるのかな」

 俺みたいに…。
 共に夜を過ごしたりするのだろうか。
 あの逞しい腕で抱かれるのだろうか?

「…セフィロスぅ……」

 悲痛な呟きを部屋の扉ごしに聞いていた人物がいたことにクラウドは気づかなかった。

 ◇◆◇

「おまえさぁどういうつもりだよ」

 珍しく真面目な顔で、ザックスはセフィロスの部屋に入るなり、そう言った。
 セフィロスは部屋の隅にある机で本を読んでいた。
 目線も上げずにそれに答える。

「なにがだ? 何のことかわからんな」
「とぼけんじゃねぇよ、クラウドに何を言ったんだよ」

 クラウド、という言葉に少し反応して、だが相変わらず書物からセフィロスは目を離そうとしない。
 ずかずかと、ザックスは机の前まできてその本を取り上げた。

「あんたが何をしようと勝手だよ。他の奴と仲良くしようが、クラウドをどんな風に扱おうがあんたの勝手だ。だがな。限度があるだろう? 一体クラウドに何をしたんだ? どうしてあいつはあんなんなっちゃったんだ!?」

 ザックスが床に本を叩き付ける。
 古臭い書物は床の上で埃を立てた。
 やっとセフィロスが正面を向く。
 その瞳は戦闘中ですら見た事が無いほど冷たく残忍な色をしていた。

「わからないのは俺の方だ。何故あいつは部屋に来ない? 何をしてるんだ? 任務もここ二日ほど休みっぱなしだそうじゃないか」
「俺が休ましてるんだよ。あんな状態のまま戦地にいったらあいつは一瞬で死んじまう」

 床に落ちた本には目もくれず、ザックスに詰め寄る。
 ザックスもかなり背が高い方だが、百九十を超すセフィロスの前では迫力で負けている。

「騙すんだったら最初から最後まで騙してやれよ。うそでもいいから好きだっていってやれよ」
「俺がいつ騙したんだ?」
「騙してないんだったら正直に言い過ぎなんだよ。どうせ俺とお前は無関係だとかいったんだろう?」
「そんな事は言っていない」
「じゃあ、なんて言ったんだよ! クラウドの事傷つけんのも大概にしろよ」

 セフィロスはふいっと視線をずらし、そのまま部屋を出た。

「何処に行くんだよ」
「お前は今夜はこの部屋を貸してやるから部屋には戻るな」

 それだけ言い残して、セフィロスは部屋を出ていってしまった。
 ザックスは一人部屋に残る事になり、両手をあーあのポーズで挙げてみる。
 …世話が焼けるぜ全く。あいつは何であんなに恋愛べたなんだ。普通の恋愛っちゅうのをした事がないんじゃないか?
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