aimed blade at you (3)
aimed blade at you

 …セフィロス…。

「何をしてるんだ」

 ぼんやりと、聞きなれた声を聞いていた。
 クラウドがセフィロス専属のルームキーパーになって二年。
 公私共にセフィロスの元へ通ってるのは公然の秘密だった。
 三人の男は青ざめている。
 クラウドの中に挿入していた男のものも小さくなって中から零れた。
 ぽたぽたと、床の上におちる液体。部屋の中は暗いままで人影しか見えない。
 だけど、その声の主が誰なのかはわかる。

「何をしているか聞いている」

 タスケテ…、だけど喉がからからで声が出ない。
 冷たい声。この人の声は戦場でも変わらない。いつでも落ち着いた、低い声。
 自分と話すときだけ、少しだけトーンが柔らかくなるのに気づいているのだろうか?
 だけど今はその瞳と同じくらい冷たい響きの声だった。

「あ…あの…」

 静寂の中、突如響いたのは、笑声だった。
 少し自虐的な、恐ろしい笑い声だ。

「どうだった? クラウドは。俺が二年もかけてじっくり調教したんだ。さぞかしいい思いをしただろう? もっとも、そいつは際限無く求めてくるからお前等三人を相手したところで満足しないだろうが」

 眼光に射すくめられたように三人は動かなかった。
 セフィロスは髪をかきあげ、悪魔的に口の端を歪ませて笑った。

「散れ、お前等」

 その声に触発され、三人の男はわらわらと、服もたださず部屋の外へと消えた。
 残されたクラウドはぺたりと座り込んだままだ。精液まみれの手で唇を拭う

「クラウド…」
「……はい……」

 不気味な沈黙。

「どうだった他の男は? 俺とは比べ物にならないだろう?」
「……はい」

 本当の事だ。セフィロスが与える快楽に程遠いどころか、嫌悪感だけが先にたち、クラウドのものはほとんど萎えたままだった。

「足りないだろう? 俺の部屋へ来い、まずはその汚らしい身体を洗うんだ」

 促されるまま、もう一つの部屋へ入る。
 二年間通い続けたセフィロスの私室、勝手を知った部屋のバスルームのドアを開ける。
 頭上から降り注ぐ熱い液体。
 身体の汚れを洗い流しても、心にうけた衝撃はクラウドに暗い影を落とした。
 濡れたからだのまま、バスルームを出る。
 二年間セフィロスと顔を合わせ、何度も身体を重ねても、聞けないことがある。
 彼は自分の事をどう思っているんだろう。
 今日の事も、怒るでもなく攻めるでもなく、楽しんでるようだった。
 もしかしたら、あのまま傍観者でいるつもりだったのではないか、とも思う。

「俺は…」

 自分の存在意味について考える。
 でもすぐにいつもの結果へと落ち着いてしまう。

「俺はあの人のモノなのだ」

 それを身体だけととっているのか、心も全てだととっているのか、分からない。
 二年という月日は余計にクラウドの心を混乱させた。
 俺は……。
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