aimed blade at you (4)
aimed blade at you

 リビングへ戻ると、後ろから抱きしめられた。
 言葉に出された事はない、でもやさしい抱擁。
 二人でいる時は優しい、いや、優しいと言えるのか…。そう感じているのは自分だけではないのだろうか?
 全てが偽りにみえてくる。
 するりとバスローブが床に落ちる。
 煌煌とした明かりの中、陵辱されたからだは無数の擦り傷を見せている。
 その一つ一つに舌を這わせ、後頭部を引っ張り、熱いキス。
 口付けだけで蕩けそうだ。
 こんな熱い想いを俺は知らなかった。貴方に会うまでは。
 熱のこもった瞳でセフィロスを見返す。
 自分のものが汚されたというのにこの人は平気なのだろうか。
 自分は大勢の中の一人なのか。特別な存在ではないのか。
 歯がゆい。
 冷めてゆく心とは裏腹に熱くなるからだ。
 セフィロスの指で、舌で翻弄される己。
 逃げたいとは思わない。それ以上の関係を望むのはいけないことなのか。
 それ以上とは…?

「俺は…貴方が欲しい」

 顔を両手で覆い隠す。
 涙が止めど無く流れ出す。
 何がそんなに悲しいのか。不思議そうな顔でセフィロスは俺を見ているんだろう。
 絶望的な悲しさ。俺はこんなに弱かったのか?
 いや…、ちがう。
 貴方を知ったから、貴方に触れたから俺は弱くなったんだ…。

「俺は何も欲しくないし、与える事も出来ない」

 予想していた通りの答え。知っていた。知っていたつもりだった。初めから、この人は俺のことなど何とも思っていないんだ。
 そうだ。自分勝手な気持ちを押し付けた事はあっても、セフィロスから乞われた事など一度も無い。
 俺だけが溺れている。「無関係」な「関係」。

「お前は何が欲しいんだ? なにを望んでる?」

 いたたまれなくなってクラウドは脱がされたバスローブを拾い上げ、軽くはおっただけで部屋を飛び出した。
 なんとなく、不透明な空気に耐えられなくて。
 気がつくと、自分の部屋にいた。
 この二年間は間違いだったのだろうか。

 ◇◆◇

 それから二日間。
「何か食べろ」
と、差し出された二日目の朝食すら一口も手を付けていない。
 どこか、狂いはじめた歯車。
 ザックスが教官に頼んでくれたので、俺は三日間の休みを頂いた。
 セフィロスのルームキーパーも引き継いだ。
 俺の一年後に入った奴で今の所ソルジャー試験も最年少で通過するんじゃないかといわれてる。

「オレには逆立ちしたってなれないな…」

 ザックスもソルジャー2ndの試験を受けると言っていた。
 自分だけが取り残された気になる。
 もうニブルヘイムに帰ってしまおうかという気さえしてくる。
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