2005ハロウィン (8)
2005ハロウィン

「え? ああ、飴玉セット」
「セット?」
「飴玉がたくさん入ってた。ハロウィン期間限定で売り出されてたのを見つけたんで買っておいたんだ」
「ふーん、俺には?」

 セフィロスが軽く笑う。

「何が欲しい?」
「言わなくてもわかってるだろ?」

 俺が軽く笑い返すと、セフィロスはさらに笑顔になった。

「嫌だっていったら?」

 悪魔の影がちらちら見える。

「そうだなぁー」

 セフィロスの目の前で、ズボンのジッパーを半分ほど下ろし、手を止める。

「そう言われたら……」

 俺はジッパーを上げると、にっこり笑った。

「俺もあげない」
「…そう来ると思った。でもな、クラウド」

 手を掴まれて引っ張られる。俺はセフィロスの腕の中にすっぽり納まって、動けなくなってしまった。

「でも、何だよ」
「俺が困ると思ってるみたいだが、それよりもお前が困るってわかってるよな…?」

 耳元でセフィロスが囁く。
 セフィロス自身が俺を欲しがるのを我慢するよりも、俺がセフィロスを欲しがることを我慢できないと思っているのだ。
 悔しいけれど、その通りだった。

「…わかってるよ…」
「ならいいけどな」

 セフィロスが笑う。その声は俺の耳には悪魔の声となって届いていた。





 来年のハロウィンは絶対悪魔の仮装をさせてやる。
 見張りとして、俺は小悪魔で横に並ぼうっと。
 …でも…、却下かなぁ、小悪魔は…。


END
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