2005ハロウィン (5)
2005ハロウィン

「え?」

 セフィロスはその1本の布を俺の目の前に差し出した。首をかしげている俺の目にそれを当てて、頭の後ろで両端を縛っている。

「ちょ、ちょっと…」

 いきなり目隠しされて、置かれている状況を判断することができない。俺は目隠しを外そうと後頭部に手をやったが、その手も捕まえられて、後ろ手に縛られてしまった。

「これで俺がどこを見てるかわからないだろう?」
「わからないけど!」
「けど…?」

 語尾がうれしそうなセフィロスに、俺はもう反抗すらできなかった。視界は遮られ、手を使えない状態の俺に勝ち目はなかった。
 唇をかみ締めてうつむく俺をセフィロスが抱き寄せる。

「…けど…の続きは?」
「…こっちの格好の方がよっぽど恥ずかしい…」
「俺はぞくぞくするけどな」

 それはこちらの台詞なんですけど。セフィロスの動きが見えない以上、心構えができない。何をどうされても俺は今まで以上に反応してしまう気がする。

「…セフィロスって…本当に悪魔っぽい…」
「…嫌いか…?」

 それはセフィロスが嫌いかどうかってこと? 悪魔っぽいのが嫌いかどうかってこと?
 俺が口を開くより前にセフィロスは唇を塞いできて、あっさりと舌を差し入れてきた。
 俺の答えはどうでもいいのか。

「ん…っ!」

 セフィロスの指先が俺の乳首に触れる。そのまま指先は俺の胸を円を描くように滑っている。時折、その指先が乳首の先を弄って、俺はその度に身体を大きくそらしている。唇が解放されていないので、大きく息が吐き出せない。
 セフィロスの唇が離れて、大きく息を吸った途端、セフィロスの舌が、指で弄っていない方の胸を舐め上げる。
 セフィロスが次にどういう行動にでるかわからない俺は、思ったとおりにいつも以上に敏感になっているらしく、セフィロスが俺の身体に少し触れただけで、声を上げてしまう。
 指先と舌で胸を弄られ続けられた俺は、既に喉が嗄れてきていた。腕は縛られていて、セフィロスにしがみつくことがかなわない状態だから、俺はソファーに寝転んでしまいたかったのに。
 セフィロスが使っていないほうの腕で俺の腰をしっかり抱え込んでいて、身動きできない。
 その上で責められていて逃げ場がない。だんだん、俺は追い詰められている気分になる。
 俺自身が反応を示し始めている。

「ああ…っ」

 顎を天井に向けて、身体をくねらせている俺をセフィロスはどう思っているんだろう。
 少し考えただけで、恥ずかしさがこみ上げてくる。全身の血が逆流しそうだ。

「クラウド、動きがやらしいぞ」
「セフィ…っ!」

 そうさせてるのは一体どこの誰だ! 手が自由だったら、殴ってるところだ。

「クラウドは俺のものだ」
「あ…っ!」

 うれしい言葉に反応する間もなく、セフィロスが俺の腰を少し持ち上げて、下着ごとホットパンツをずらした。俺自身が思い切りセフィロスの目の前にさらされているわけだ。
 俺のとなりにあったセフィロスの気配が一瞬消える。
 この状態でほったらかされたのかと、ものすごい不安が襲ってくる。

「セ、セフィ……?」
「ここにいる」

 正面から声がする。ほっとしたのもつかの間、思い切りひざが開かれて、俺自身に何かが触れる感触。

「…っ!」

 思わず逃げようとする俺の腰をセフィロスの片手が押さえ込んだ。どうしようもならないのはわかっていても、恥ずかしさのあまり逃げ出したい。
 触れた何かというのが、セフィロスの舌だとわかるのに時間はかからなかった。セフィロスの舌は俺自身の先端から根元に向かってすべり、裏筋を這う。

「…ああ…っ、ダメ…」

 セフィロスは俺を咥えこんで、上下運動を始めた。セフィロスの唇が俺を柔らかく刺激してくる。
 俺とセフィロスしかいなくて、俺を責めているのもセフィロスのはずなのに、見えないせいで本当にセフィロスなのかどうかが怪しくなってくる。俺の意識がぼんやりしてきているせいもあるのか、これは実は全然別の場所で行われてて、セフィロスはそれを見ているだけなんじゃないだろうか…、と変な考えにとらわれる。セフィロスに見られてると考えた途端、俺は何かが弾けとんだようだった。
 セフィロスの動きは変わってないはずなのに、すごく感じてしまう。

「セフィ…、…セフィ…だよね?」

 セフィロスの動きが止まる。動きが止まってしまったことが残念で、思わず声を漏らす。やっぱり俺は逃げ出したいと思っていながら、壊してほしいと思っている。

「…俺以外にだれもいないぞ。他に誰がいるっていうんだ?」
「…だよね……」
「俺以外のやつに触らせるか」
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