2005 クリスマス (5)
2005 クリスマス

 中を弄る動きを止めると、クラウドは大きく息を吐き出した。

「なあ、クラウド…」

 耳元で囁いてやると、それだけでクラウドは全員の力を抜いてしまった。俺が支えてなければひざから崩れ落ちているだろう。

「…動くのはかまわんが、自分が辛いだろう。ここから逃げ出したいのか? それとももっと感じたいのか?」

 平手が飛んでくると思って一瞬構えたが、俺の予想は外れた。
 クラウドは涙を浮かべている目を俺に向けて、ゆっくりと俺に口付けてきた。

「…言わなかった…? 俺はすぐ足りなくなっちゃうんだって…」
「じゃあ、このまま楽しませてもらうぞ」

 さらに指先を侵入させて中をならす。1本だった指を2本に増やしてさらに感じるところを弄ってやる。

「ああ…っ、も…う…、おれ……」
「早すぎ」
「…セフィ……」

 弄るのをやめた途端、クラウドは甘えたような声を出した。そう簡単に昇ってもらってはこっちの楽しみがない。

「イクには早すぎるだろ?」
「…ここでおあずけぇ…?」

 クラウドのねだるような声には俺は弱いと思う。いや、弱い。自覚はある。いつもここで葛藤しているのだ。いじめ続けるか、俺が負けるか。

「イジワルサンタだからな」

 軽く笑うと、クラウドはまたも意外な言葉を口にした。

「そういう…セフィロスも…俺は好きなんだよ…。こんなに…自虐的だとは思って…なかった、俺…」

 どんな俺も好きだと言ってくれるクラウド。嫌いな俺はいないのだろうか? 嫌われてみたくなってさらにイジワルな言葉を吐き出してしまう。

「もしもだ、ここでやめてしまったらどうする?」
「簡単な…ことだよ…」

 クラウドは手を伸ばして、俺のズボンの上から、俺自身に触れた。

「クラウド…?」
「…俺がその気にさせる。我慢できないぐらいにね」

 クラウドは何かたくらんでいるような笑顔を見せた。この顔をすることはめったにない。俺でも数回見たかどうか。今、クラウドには小悪魔が乗り移っている。
 クラウドの反応を試している俺が、実は試されていたのかもしれない。

「…そうしてもらいたいところだが…。俺は受身は好きじゃないんだ」

 言い終えないうちに、クラウドのさらに奥を責めたてる。クラウドの腰がさらに揺れる。俺が責めているだけじゃなくて、自分から動いているらしい。俺の肩に額をつけているため、顔は見えない。吐き出されている声がかすれ始めているので、限界に近いのだろう。

「…ごめん…、だめだ…、も…う…」
「謝ることじゃないだろう?」

 さらに動きを早めて、クラウドをイカせてやった。





「…あっ…ああっ…」

 ふと思い出したことがあって、俺は自分の腰の動きを止めた。

「聞きたかったことがある」
「…な…あ……に…?」

 俺の責めにあわせて、声を上げ続けていたクラウドは、息を落ち着かせながら、尋ねてきた。見つめてくる潤んだ目には、残念そうな色が浮かんでいた。

「夕食の時のことだが、言いかけてやめたことがあっただろう?」

 クラウドは一瞬肩を揺らすと、俺から目をそらして、寝室の窓を見つめた。部屋を照らしていた月はすっかり落ちてしまい、先ほどまで部屋を照らしていた月明かりの変わりに、今は部屋の中はベッドサイドのランプだけがうっすらと部屋を明るくしている。
 クラウドの沈黙は長く、一度俺が呼びかけても返答はなかった。

「…それは忘れて…」

 二度目の呼びかけで、ようやくクラウドは言葉を発した。その後も、クラウドは俺の方を見ることはせず、窓に視線を固定させたまま、唇をかみ締めている。

「忘れてやるのはいいがな、その状況にもう一度なったときに、お前は大丈夫なのか?」

 クラウドは目を閉じて、大きく息を吐き出した。それは自分の中で何かを消化しようとしているのか、心を落ち着かせるためだけだったのか、俺には読み取れなかった。
 クラウドはゆっくりと視線を俺に戻して、俺の手をゆっくりと掴んできた。何かにすがるような表情を浮かべて。

「大丈夫…じゃないかもしれない。だから、言うけど、呆れないでね?」
「わかった」
「…あの時、俺は、子供達に嫉妬してたんだと…思う…」
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