必需品 (4)
必需品

「わかってて、挑発してるのか?」
「…挑発なんてしてないよ。俺の気持ちだよ、『さあ、食べちゃって』っていうね」

 まだクラウドの知らない面があることをこういう時に思い知らされる。口元だけで笑っているクラウドはまるで娼婦のようだ。味わった後、たとえ殺されても、きっと俺は文句を言わないだろう。

「…かなわないな、クラウドには。抗うすべが見つからない…」

 クラウドを後ろに押し倒して、首筋に赤い印をつける。俺のものだという印。ことあるごとに、クラウドは俺のものだと認識したり、認識させてもらったりしているが、違う面を見るたびに、クラウドは俺のものではないのだ、と現実を突きつけられた気になってしまう。
 クラウドの右の乳首を舌で転がしながら、左側を指先で弄ってやると、クラウドは短い声をあげつつ、体をよじる。相変わらず感度のよい体に、俺は思わず笑ってしまった。

「…何が…おもしろい…の…?」
「いや、相変わらずだ、と思っただけだ」
「…相……変わらず……?」
「そう。どこ触っても、感じやすいな、と思って」
「…きっと、セフィロスが…触ってる…からだよ…」

 さらりとすごい台詞を吐く。俺以外に触られたら全然感じないような言い方。もちろん、俺は俺以外の相手がいたかどうかなどを知らないから、クラウドの台詞が本当か嘘かはわからない。

「では、もっと感じてもらおうか」

 クラウドの下腹部まで手を滑らせて、パジャマと下着を一緒に脱がせる。あらわになったクラウドのソレに軽く手を添えて、舌を這わせる。
 クラウドは一度大きく体をよじらせたが、その後は何かに耐えるように、シーツを握る手に力を入れていた。
 俺がクラウド自身を根元まで咥えては、先まで戻してというのを繰り返すのにあわせて、口からは短い高い声がとめどなく流れていた。
 口の上下運動を早めると、クラウドは息も絶え絶えといった感じで、

「…も、…ダメ……」

 絞り出すように、声を出した。
 クラウド自身から口を離すと、クラウドは俺の手に白濁の液体を放出した。
 大きく息をしているクラウドのひざを割り、液体を潤滑油として蕾に指をゆっくりと挿入する。
 イったばかりのクラウドはそれだけで大きく腰をくねらせた。
 指を奥の方まで挿入し、中を弄ってやる。
クラウドの身体がしなるたびに、指先が感じやすいところに当たっているのを示している。

「…ねぇ……、もっとぉ……」

 クラウドはさらに責められることを望んでいた。
 俺はふと思い立って、急に指を引き抜いた。クラウドが少し残念そうな顔をしている。

「これで終わりじゃないがな」

 クラウドをいったん抱え起こし、俺が逆にベッドに横たわる。その上をクラウドにまたがせる。

「入れれるだろ?」

 クラウドは顔を一瞬赤くしたが、静かに腰を浮かすと、俺自身に手を添えてその上にゆっくりと浮かせた腰を下ろし始めた。
 腰をゆっくりと下ろしていきながら、クラウドは声を上げている。俺が気を遣って侵入させているわけじゃないから、普段よりも刺激があるはずだ。
 俺自身を咥えこんで、腰を下ろしきったクラウドは、俺の胸に手をついて、息を吐き出している。
 落ち着かせる時間を与えず腰を動かすと、クラウドは高い声を上げてのけぞった。
 クラウドは短く首を縦に動かすと、待ちきれないのか、「早く…」と小さく呟いた。

「もっと動くぞ、大丈夫か?」
「…大…丈夫…」

 クラウドは自分から腰を動かして、刺激を求めようとしている。そのクラウドの動きに合わせて、突き上げてやると、クラウドは頭を振りながら、嬌声を上げ続けている。
「……セフィ…、ああ……」

 うわごとのように声を上げているクラウドの顔は俺の位置からはもう見えない。顎から首にかけての白いラインが見えるだけだ。

「…あ…、ああ…っ、もう…」

 このままイかせるのもつまらないな、と思った俺は、腰の動きを止めて、クラウド自身の根元を握った。

「ああ…っ!」

 放出寸前だったのを止められて、クラウドは大きく声を上げた。

「…いじ…わる……」
「知ってただろう?」
「…知っ…てる…、でも……」

 うなだれているクラウドの表情を覗き見る。蒸気した頬と、赤い唇。苦しそうに眉間に寄せられたしわ。あまり見ない角度から見ると、いつになく表情も違うように見える。

「でも…?」
「そういう…ところも……好き…」

 こんな状態でそう言われたら、いとおしさがこみ上げてくるのと、さらにいじめたくなるのと両方だった。

「じゃ、このままでいようか?」
「…それは…ヤだ…」
「じゃあ、どうして欲しい?」
「…イ…かせ…て…」

 俺の上でじっと耐えているクラウドは、今にも壊れてしまいそうだった。歯をくいしばっているのが痛々しい。

「…しょうがないな…」

 握っていたクラウド自身を解放してやり、下から突き上げる動作を再開する。
 クラウドは俺の動作に合わせるように、大きく腰を動かしている。クラウドの口から漏れる声が高さを増していく。それに応じて、俺への締め付けも強くなる。

「…あ、…ダメ…、…イ…クぅ……」

 大きく衝撃を与えると、クラウドは部屋に響くほどの声を上げて、液体をばら撒いた。俺の上には、俺をきつく締め付けたクラウドがゆっくりと崩れ落ちてきた。
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