「セフィロスっ！」
「…何度もこうやって俺の思いも何もかも注いできたって言うのに」
「…ごめん、セフィロスが悪いわけじゃない。ただ、俺がどうしようもなく…」

　俺はそこで言葉を切った。
　何を言っても、どうあがいたにしても、この俺の気持ちが落ち着くことはない。セフィロスの傍にいることが同時に不安を生む。
　いなくなるかもしれないという思いを抱え続けることになるから。
　でも、その不安をセフィロスと一緒に時を刻んでいくと決めた時に、捨てたはずだったのに。
　どうして、また、もやもやと脳裏をよぎってしまうのだろう。

「…黙ったところで、どうにもならないだろうが」

　セフィロスは俺の顎を掴むと、唇を重ねてきた。奥歯をかみしめていなかったせいで、するりとセフィロスの舌に侵入され、口の中を嬲られる。
　今は意識をしっかりもっていないと、と思っているのに、口づけが深くなるにつれ、頭の中がぼんやりしていく。

「さあ、クラウド、吐き出してしまえ。聞いてるのは俺だけだ…」

　耳を嬲るように言われて、さらに、頭が働かなくなる。

「……どうしようもなく弱気になってるんだ…」
「…ん…、それから…？」
「…この弱気になってる気持ちをさ、消して欲しい…。セフィロスがいなくなるかもって思ってるこの気持ちを…」
「…いなくならない確信が持てれば、消えるのか？」

　セフィロスは瞼や頬に軽くキスを落としてくる。

「…ごめん、消えないし、消せない…。セフィロスがいなくならないってわかってるのに、わかってるはずなのに…」
「…わかった、それなら、今だけ消してやる」
「え？」

　セフィロスは俺が着ていたパジャマの上を捲り上げ、あっという間に脱がしてしまう。
　すぐさま、ズボンと下着も一緒にはぎ取られ、俺は抵抗することもできずに、一糸まとわぬ姿にされてしまった。

「…あ…っ、やぁ…っ」

　セフィロスの指先が胸の突起に触れ、声が漏れてしまう。そのままセフィロスは片方の胸の指先で弄り、もう片方の胸は舌と唇で愛撫してくる。
　両方の胸の尖りはピンと上を向いてしまっているようで、少し触れられるだけで、体をよじらせてしまう。
　執拗に感じやすい胸ばかりを責め立てられて、俺は足をじたばたとさせた。
　中心に熱が集まっていて、頭を持ち上げてしまっているからだ。

「…もう、こんなにしてるのか…？」

　セフィロスの言葉が、俺の昂ぶりを見てのことだとわかって、俺は恥ずかしくなって、体を丸めようとしたが、それよりも早く、セフィロスに昂ぶりに触れられてしまった。

「…いやぁ…っ！」
「嫌、ではないよな？」

　セフィロスの指が俺の昂ぶりの形を確認するように、表面を滑り降りる。その後、昂ぶりをそうっと掴まれ、上下に扱かれ始めた。
　先端からは液体が漏れだしているようで、くちゅくちゅ、と液体が絡みあうような音が部屋に響いている。

「や…、やだぁ…、はぁ…っ…」

　体の中心から湧き上がってくる快感と耳に聞こえてくる卑猥な音とで、俺は今にもばらまいてしまいそうだった。

「…一度出すか？」
「や、やだっ！　一緒…がいい…っ！」
「…わかった…」

　セフィロスは俺の昂ぶりから手を離すと、少しの間、何かごそごそとしているようだった。

「セフィ…？」
「近くに持ってくるのを忘れてた。ちょっと痛いかもしれないが、我慢しろよ」

　うっすらと目を開くと、セフィロスは自分の指を舐めていた。
　ぞくっと、体の奥に熱が溜まる。その指先がこの後、どうなって、俺に何をもたらすかをわかっているから、俺はきゅっと目をきつく閉じた。

「…力は抜いておけよ」

　セフィロスの声に頷いた途端、足を大きく広げられ、隠されていた蕾の入り口に冷たい感覚が走る。
　息を飲んで、腰を引こうとしたが、先に指が突き入れられてしまった。
　ぐっと押し込まれた指先が内側を擦りながら、入り口を広げつつ奥へ奥へと侵入してくるのを、拒むように力を入れてしまうけど、セフィロスは俺の力を抜かせる術を知っている。結局、俺は二本の指を咥えこまされていて、その指に激しく中を嬲られた。