いつも、いつまでも(3)
いつも、いつまでも

 ベッドの軋む音、クラウドの甘い声。
 セフィロスの耳に届く音はそれぐらいだ。指先を動かすたびに、クラウドは身体を捩じらせ、吐息を漏らす。
 普段は気が強くて、一筋縄ではいかないような子犬みたいな青年を指先だけで思い通りに出来ている、この征服感がセフィロスにはたまらなかった。

「……セフィ……っ!」
「…どうした?」
「…いいの……?」
「何が…?」

 セフィロスはクラウドの蕾の中を弄くる指を止めた。クラウドはうっすらと目を開き、セフィロスの顔を見つめている。潤んだ瞳がさらにセフィロスの欲望を掻き立て、鼓動が少し早くなった

「…時間…」
「時間?」

 セフィロスはクラウドから視線を外し、部屋の壁を見た。壁にかかった時計は夜中の2時を指していた。
 明日の仕事に差し支えるとでも、クラウドは言いたいのだろうか。

「俺の心配はいいから自分の心配でもしてろ」
「…自分……って……、…ぃ…やぁ…っ!」

 セフィロスはまたクラウドの中をかき回すように指を動かした。クラウドは指の動きに合わせて、短い声を部屋にばら撒く。そんな声を聞いている時間が、セフィロスにはとても幸せで大事だった。

「気がついたら、朝、かもしれないぞ」
「…いい…よ…、セフィロスと…、…抱き合っていられるなら……っ!」
「…それは、俺に付き合ってもいいってことだな?」

 こくん、と小さく首を動かし、クラウドは腕にしがみついてきた。
 クラウドの頬に軽く口付けてから、セフィロスはクラウドの中をさらに激しく責め始めた。クラウドをより感じさせるのに、指先をどう動せばいいかなんてことは考えなくてもわかる。
 クラウドはもう白い喉を晒して、嬌声を明々とした寝室に響かせている。寝室で抱き合い始めた直後は電気を消せとうるさかったけれど、すぐに気にしていられない状態になったのか、何も言わなくなった。
 その代わりに甘く短い吐息ばかりを漏らすようになって、今や頭を振って、高い声を惜しげもなく、セフィロスに聞かせている。

「……や…っ、出ちゃ……う…っ!」

 クラウドは一際高い声を上げて、熱を外に放出した。
 部屋が明るいお陰で、うっすらと桃色に染まったクラウドの身体に白い液体がばら撒かれているのがはっきり見える。
 その艶かしさに、セフィロスは唾を飲む。

「…セフィ…」

 クラウドに呼ばれて、我に返ったセフィロスは腕を伸ばしているクラウドをぎゅっと抱きしめた。

「どうした?」
「…ごめん…」
「何で謝るんだ?」
「さっきの、アマデウスの…」
「ああ。別に謝ることではないだろう?」
「夢を見てた…」

 クラウドはそう呟くと、さらに強く抱きついてきた。それに答えるようにクラウドの身体に回した腕に力をこめる。

「…セフィロスと引き離される夢…」
「…それで、一緒にいる…って…」

 セフィロスは帰宅直後のクラウドの台詞を思い出して、一人納得した。アマデウスから引き離されるのを酷く嫌がっていたのを、夢だとわかっていても、気にはなっていた。引き離されたくないのは、アマデウスのことなのか、夢で見ている別の誰かのことなのか。

「…寝言言ってたのか…、恥ずかしいことしっ放しだな、俺…」
「気にすることはない。そういうクラウドも可愛いと思う」
「…ど、どこが…可愛いんだよ…」

 クラウドは顔をそらし、腕を突っ張って距離を開けようとするのを許さないように、セフィロスはクラウドの身体を拘束する。顔をそらしたままのクラウドの耳朶に触れるぐらい近づいて、全部可愛い、と告げるとクラウドはぎゅっと固く目を閉じた。上気していた頬がさらにピンクに染まり、薄く開かれた艶やかな唇から漏れる吐息がセフィロスをゾクゾクさせた。

「クラウド…」
「…ん…?」

 クラウドが視線を戻したとたん、セフィロスは噛み付くように唇を塞いだ。
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