「…はぁ…っ、セフィの、熱い……、溶けていきそう…」
「どろどろに溶かしてやろうか？」

　クラウドの腰を片腕で支え、下から突き上げるように腰を動かす。クラウドは俺の肩を掴んで、嬌声を上げて、頭を振っている。さらに乱れさせたくなった俺は、クラウドの胸の突起に吸い付いてやった。そのまま唇と舌で突起を責める。

「いやぁっ！　…やめ……っ！」

　快楽を逃したいのか、顎を上げて、白い透き通るような喉元を無防備に俺の眼前に晒している。その姿が、本当に艶めかしい。こんな姿を見られるのがこの世界で今のところ俺だけ、というのは素晴らしい事実だと思う。
　優越感、独占欲、征服欲とか一気に満たされることがあるとは思ってもいなかった。
　ろくに下を見ず、天井を仰いでばかりなので、開いていた片手でクラウドの昂ぶりに触れてやった。

「…っ！　ちょ…っ、待って…っ！」

　そう言って、俺の手を掴むと、クラウドは俺の方に視線を移した。潤んだ瞳がさらに欲情させる

「やっと、俺の顔を見たな」

　クラウドは少しむっとした顔をしたけれど、俺の頬を両手で包むと、噛み付くように唇を重ねてきた。クラウドはそのまま舌を差し入れてきて、俺の口中を嬲ってくる。
　今日は好きにさせてやった方がいいのだろう。
　そう思って放置していると、不意に唇が離れた。
　クラウドは満足そうに、自分の唇を舌でなぞった。

「やっと、やらしい顔になってきたな」
「そうか？　お前の方がずっとやらしい顔してると思うが？」
「…あ…っ、ダメだって…っ、…やだぁ、もう…っ！」

　内側を下から刺激しているいる上に、昂ぶりも同時に刺激してやってるから、もう、クラウドは限界に近いのだろう。
　俺の肩を掴みなおした指に力がこもっているのが、その証拠だ。

「……っ、もう……、イカ……せて……っ！」

　クラウドの腰をしっかり掴んで、大きく奥を何度も突き上げてやるうちに、クラウドは高い嬌声を上げて、俺の身体に白濁の液体を迸らせた。
　クラウドの中の締め付けが強くなり、俺もクラウドの中に熱を爆ぜさせた。
　しなだれかかってくるクラウドの身体を抱きとめて、あやすようにクラウドの背中を軽く叩く。

「……セフィロス……」
「何だ？」
「…アンタのやらしい顔、好きだ…」
「それはそれは。だが、やらしい顔ばっかり見せられないだろう？」
「いいよ、俺しか見ないし」
「…俺はクラウドのやらしい顔を見ていたいところだが？」

　小さくクラウドは笑って、俺のは高いよ、と言う。

「言い値で買うぞ」
「……そういうバカなところも好きだな」

　そう言って、クラウドは俺とのつながりをゆっくりと解いてから、寝る、と言って、リビングから出て行ってしまった。



　シャワーを浴びて、洋酒を二杯ほど煽ってから、寝室に行ってみると、クラウドはもうベッドの上で寝ているようだった。
　その隣に起こさないように横になると、クラウドがすり寄ってきた。

「起きてたのか？」
「さあ？」
「ところで、夢でどんなことしてたんだ？」

　腕枕を貸すように右腕を伸ばしながら、尋ねると、クラウドは腕に頭を乗せながら、知りたい、と聞いてくる。

「…やらしいことしてたんだろ？」
「そうだよ。はじめは浴室で、そっから、寝室に移動して……」

　…何だか、夢の俺ががっつきすぎている気がするんだが…。
　はあ、と大きく息をつくと、クラウドは俺と目を合わせて、にっこり笑う。

「クラウド？」
「大丈夫。セフィロスが悪いんじゃないよ。俺が誘い続けてたからな」
「…夢の中のクラウドに会いたい……」

　夢の中のクラウドはもしかしたら、想像以上にやらしくて色っぽいかも知れない。

「…何それ？　今の俺は気に入らないとか？」
「そんなわけないだろう。こうやって触って抱いてる実感がある方がいいに決まってる。ちょっと見てみたかっただけだ」
「ふーん。じゃあ、起きたら、夢の中の俺がどんなだったか、見せてやるよ……」
「え？」

　俺の驚きの声は、クラウドの耳には届かなかったようで、返事の代わりに寝息が聞こえてきた。
　起きたら、とは言うが、俺の方はクラウドのせいで、妙に興奮してしまって、寝ることなど出来そうになかった。

短いお話でしたが、お付き合いありがとうございました！
ふっと思いついて、勢いで書きました。
夏の暑い時に、ムラっとしてやらしくなってる
クラウドさんが書きたくなったというだけです。すいません。