『スキ』の理由
『スキ』の理由

「まだ、大丈夫だろ?」
「……だい…じょぶ……、じゃ……、ない……、お願い……!」

 言い終えた瞬間、大きな喪失感が襲ったと思ったら、激しい摩擦が起き、奥深く熱く重い楔が打ち込まれた。
 俺はこれ以上ないほどの高い声を上げて、自らの昂ぶりの熱を外に放出した。
 きゅーっとセフィロスを締め付けると、中に熱いものが注がれる。
 セフィロスの熱を受け止めて、俺は嬉しさと幸せを伝えるように、ぎゅっと抱きついた。



 ふと目覚めると、セフィロスと目が合った。

「あ、あれ?」
「起きたのか?」
「起きたっていうか、え? ここ……」

 俺はベッドの上にいて、セフィロスの腕枕で寝ていたらしいということはわかったが、なぜ、ベッドで寝ているのだろう。

「クラウドが途中で意識を手放したから、運んでやったんだ。いつになく煽ってくるからだ」
「……はぁ……、すいません……」

 と、謝りはしたものの、俺自身はそんなに激しく求めた覚えもないのだが。

「初めに仕掛けたのは俺だからな、俺が悪いのかも知れないが」

 セフィロスは俺の頭をくしゃっと撫でてくる。そんな大きな手に安心感を覚えて、セフィロスに寄り添う。

「そうだよ、いきなりだったじゃないか」
「クラウドが何か考えてる顔をしてたから」
「……あー、あれは……」

 どうしてこんなにセフィロスが好きなのかを考えてたんだっけ。
 好きすぎてどうしようもない理由を見つけたかったんだけど、見つけ出そうとする前に、組み敷かれちゃったからなぁ。

「俺が考え事してると、襲うわけ?」
「クラウドの憂いた顔を見てると、その気になるのと……」

 セフィロスは俺を力いっぱい抱きしめてきた。

「その反面、そんな顔を見ていたくない。俺が原因だとしたら余計に……」
「セフィロスが原因なら直接言うよ」

 俺はセフィロスから少し身体を離して、セフィロスの目を見た。不安の色を浮かべた顔も綺麗なんだけど、俺が好きなのはどうしようもなく強気のセフィロス。抗うことのできない威圧感を持ち、従順せざるをえない。

「そんな顔しない! 俺が考えてたのは、どうしてこんなにセフィロスが好きなんだろうってこと」
「俺のことが…?」
「そう。セフィロスが好きで好きでしょうがない。この理由を見つけたかったから、考えてみてた」

 ほんのちょっとだけだけど、嬉しさを瞳に浮かべて、セフィロスは俺を見つめ返してくる。

「だけど、理由ってないんだな、って思った」
「ない?」
「そう。セフィロスだから好きなんだ。セフィロスのキスだから、蕩けちゃうし、セフィロスのものだから、一つになったらどうしようもなく感じちゃうし、求めちゃう。かっこいいからとか、やさしいからとかそういうのが理由じゃない。確かにイラっとすることもあったりするけど、それさえも愛おしいと思えるのは、セフィロスだから、だと思う」

 わかってくれた?と笑顔を見せると、セフィロスは軽く頷いた。

「それはよかった。だから、これからはいきなりってのは……、ちょ……っ!」

 引き寄せられたかと思うと、セフィロスは噛み付くようにキスをしてきた。

「セフィロス!」
「もっと俺の虜になれ。俺でなければ生きていけないほどに」

 真剣な目でそんな台詞吐かないで欲しい。
 もう、脳が溶けそうだよ。

「……そんなこと、今更言う?」
「クラウド?」
「俺はずーっと昔からセフィロスの虜で、セフィロスじゃなきゃ生きていけないよ…?」

 俺はセフィロスの手を掴んで、身体の中心に導いた。



 この身体はセフィロスだけを欲しがる。
 脳に組み込まれたように、セフィロスだけに反応する。
 セフィロスに触れられただけで、この身体は一瞬で過敏になり、身体を熱が駆け巡る。
 セフィロスだから、セフィロスが好きでしょうがないから、どんなに恥ずかしい格好も、どんなに淫らな、乱れた姿も見せられる。

 そんな俺の状態も含めて、『スキ』っていう思いが、ちゃんとセフィロスに伝わってるといい。

 蕩けていく意識の中で、ぼんやりと考えていた。


END
ただ、単にちょっとエロい感じの話が書きたくなったので、書いてみました。
お気に召せば幸いでございます。
それにしても、どれだけセフィロスのことスキなんですかね、うちのクラウド君は。
次はセフィロス視点で、クラウドのことをどれだけスキなのか書けたらいいなぁ、と思っております。
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