pleasure (3)
pleasure

「よし、準備完了」

 子供たちの笑い声は続いている。子供たちは二人ともいい子で、俺やセフィロスの言うこともちゃんと聞くし、喧嘩なんかも少ない。みんな仲良く楽しく過ごせてるから、俺はすごく幸せだと思う。
 そのうえ、何よりも大事な人の傍にいられる幸せを俺は人一倍感じられる。これほど嬉しいことってないのに。

「セフィロス、だから、ずっと傍にいてくれ…」

 俺は一人呟いて、セフィロスとキスを交わした唇に指先で触れた。



「……ん……」

 後でいただくからな、という宣告通り、ベッドに潜り込んだ瞬間、横で本を読んでいたセフィロスにあっという間に仕掛けられて、後ろから貫かれた後、正面からも何度も穿たれた。今は、セフィロスのついばむような軽いキスを受け止めている。

「クラウド…」
「…んー?」
「…嬉しいこと見つけた」
「…どんなこと…?」
「こうやってクラウドを抱けること、蕩けたクラウドの顔を見られること」

 それが嬉しいことなら、セフィロスは俺を抱くたびに嬉しいと感じてくれてることになるのか?
 それなら、俺がセフィロスに嬉しいと思えることを提供できてるわけだから、俺個人的には嬉しいことになるんだけど、本当にこんな顔見てて、嬉しくなるのかなぁ。
 蕩けた顔か……。
 なんだか急に恥ずかしくなって、ぐるんと体を回して、セフィロスに背を向けた。

「もう、見せない。変な顔だから!」

 そう吐き捨てるように言った途端、喉の奥が痛くて、こほっと咳き込んでしまった。

「クラウド?」
「大丈夫、風邪気味とかそういうことじゃない」

 風邪予防しないとなぁ。野菜いっぱい食べて、そうだ、また、ネギを買っておかないと……、ネギといえば、セフィロス、ネギを眺めてたっけ。
 セフィロスと向かい合うように体の向きを変えてから、眺めてた理由を聞いてみると、俺は笑いがこみあげてきて、当分大笑いして止まらなかった。

「笑いすぎだ」
「だって、そのまま首に巻けるわけないだろう?」
「ザックスからは、ただ首に巻くとしか聞いてないんだ!」

 セフィロスはザックスから、風邪を引いた時にはねぎを首に巻くといいという話を聞いたらしい。で、白ネギを長いまま首に巻くと思っていたらしく、どうやったら巻けるのだろうか、と考えていたのだそうだ。

「あはは、そんなことで考え込んでたのか、もう、セフィロスってば……」
「バカで悪かったな」

 拗ねた口調のセフィロスがなんだかとても愛おしくなって、セフィロスにぴったり引っ付いた。

「セフィロス、可愛すぎ。こんな可愛いセフィロスを俺だけが知ってるなんて、すごい特権だよな」
「…可愛い、を使う相手を間違ってるな」
「可愛いよ、俺にとっては」

 こほ、こほ、と咳き込んでると、セフィロスの手が背中をさすってくれる。

「やっぱり、風邪、引きかけじゃないのか?」
「…たぶん、空気が乾燥してるのと、セフィロスが…悪い……」

 あんなに激しく攻められたら、喉が痛くなるほど声も出るって…。
 気づいた時には、自分でも驚くほどに感じやすい身体になってしまってたから、少し責められただけでも、声が漏れて抑えされないのに、さっきまで執拗に責められ続けたおかげで、甘ったるい声を部屋に反響させっぱなしだったのだ。

「…クラウドの甘い声を聞いてるのも、嬉しいことだからな」
「全く、セフィロスの嬉しいことってのに、俺が絡みすぎじゃないか?」
「絡んで当然だろう? こうやってクラウドの近くにいることが何よりも嬉しいことなんだからな」

 俺が思っているようなことをセフィロスも感じてくれているんだ、と思うと、嬉しさがこみあげてきて、セフィロスに抱きついた。
 セフィロスは俺の体をぎゅっと抱き寄せて、耳を甘噛みしてくる。

「…あ…っ」
「クラウドの声を聞いていたい。クラウドを感じていたい…」

 耳元で囁くように呟くのは反則だと思う。セフィロスの声は俺にとっては毒みたいなものなのに、熱っぽく余裕がないような感じで誘われたら、嫌だなんて言えるわけがない。
 だから、俺は素直に体が求めるままに呟いた。

「……して……」



 その後、どれぐらいの時間、抱き合っていたのかはわからないけど、俺にとっては、幸せすぎてしょうがないほどの時間だった。


END
短いお話でしたが、お付き合いありがとうございました!
この話を書き始めたきっかけっていうのが思い出せないんですが、ねぎを眺めているセフィロスっていうのは早い段階で決まっていたと思います。
次のお話は何を書くか決めていませんが、もしかしたら、薔薇アイコンになるかもです。また、読みに来ていただければ幸いですvv
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