今年もよろしく (2)
今年もよろしく

 お年玉争奪番組が終わり、音楽番組が始まったところで、ふと煙草が吸いたくなったセフィロスは、左手で煙草の箱を掴み、何とか一本だけ外に出すと、それを咥えて、今度はライターを握る。点火したところで、急に右手が強く握られた。
 ライターを下ろして右を見ると、クラウドがじっと見つめてきていた。

「…起きたのか?」
「控えるんじゃなかったのか? そんなに口寂しいなら、こうしよう」

 クラウドの手がセフィロスの頬を挟む。
 クラウドが伸びをして鼻先が当たるぐらい近づいて来たと思ったら、セフィロスは唇を塞がれていた。
 クラウドは舌を差し入れてきて、口の中を嬲ってくる。少しの間好きにさせてやったが、途中でセフィロスは逆にクラウドの舌を絡め取って、強く吸い上げてやった。

「…はぁっ…」

 クラウドは甘い吐息を漏らして、セフィロスにすがるようにひっついてきた。その背中をあやすように軽く叩きながら、セフィロスは耳元で名前を呼んだ。ぴくっとクラウドの身体が跳ねる。

「寝室までお連れしますが?」
「……ん……、そうして…」

 セフィロスはこたつから出ると、クラウドを立ち上がらせ、膝を掬って抱き上げた。クラウドは甘えるようにすり寄ってくる。

「クラウド?」
「大丈夫、お酒は飲んでない」
「それならいいが…」

 クラウドは普段はこんな風に甘えてきたりはしない。甘えるどころか、事に及ぼうとしても、大概は一旦抵抗してくる。
 甘えてくることがあるとすれば、酒に酔ったときぐらいだが、酒に酔ったら絶対甘えてくるということでもない。運が良ければ甘えてくるというぐらいの確立だ。
 二階にある寝室まで運んだクラウドを、セフィロスはゆっくりとベッドの上に下ろした。 すぐさま、クラウドは腕を伸ばしてきたので、答えるようにクラウドの上に覆い被さって、身体を抱きしめる。

「…セフィロス…」
「どうした?」

 クラウドは小さく笑うと、セフィロスの首筋に吸い付いてきた。

「酔っ払ってる? どうしたとか聞くなんてな」
「…悪かった。遠慮無く」

 セフィロスは軽く笑ったクラウドの唇を塞いだ。

◇◆◇

「…は…っ、ああ……っ」

 頭の方で聞こえる熱い吐息に、セフィロスは腰の動きを早くした。
 ベッドサイドの淡い光に照らされた、汗に濡れたクラウドの身体はとても艶めかしかった。セフィロスの唾液で濡れ光る胸なんかはひときわいやらしく見える。
 そんな身体を今年もこうやって抱いて、甘い声を聞き、体温やらクラウドの全てを感じられることが嬉しくてしょうがなかった。

「……セフィ…、あ…、ああん!」

 クラウドの足を深く折り曲げて、更に自分の熱塊を咥え込ませる。

「…セフィ…、ちょっ…、待って…っ!」

 クラウドが腕を掴んで動きを制止してきたので、セフィロスは一切の動きを止めた。

「…言ってないことがある……」
「ん?」

 セフィロスは一瞬、身構えてしまった。
 この後に及んで、別れの言葉はないと思うが、クラウドの発言は時に、予測不可能な爆撃のように衝撃が大きい。

「…あけまして、おめでとう、ございます…」
「ああ…」

 一瞬、身構えた自分がバカだったと、セフィロスは力が抜けた。

「あれ? 何か期待してた…?」
「いや、予想よりいいことだったから、拍子抜けしただけだ」
「何、考えてたんだよ」
「……最悪の事態……ってとこか」
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